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息子は外!娘うち!

 日本には古くから、長男第一主義がある。 男の子が生まれると、跡取りができたと喜ぶ、あれである。

 しかし、この慣習は21世紀の今になっても、厳然と、頑固に残っているから悲しい。 この、悪しき価値観は、今、さまざまなところにひずみとなって出ている。 その最たるものが、嫁取りの問題であり、行き着くところの少子化問題である。

 地方に行くと、40代、50代で独身という男性がごろごろしている。 身体が悪いとか、独身主義者なら仕方がないと思うのだが、彼らは心身ともに健康、きてくれる女性さえいれば、すぐにでも結婚したいと大半が願っているのである。

 結婚相談所はこの、長男で中高年者の登録が多いと聞く。町村や農業団体なども、嫁取りの企画を大手の広告会社に依頼しているという。 女性は働きながら一人で生きていける時代が来ている。よっぽどの相手でもない限り、苦労はしないと割り切っている。

 ここで、冷静になって娘達を見てみると、まず、結婚の相手には選ばないのが、これら「地方、長男、跡取り、親付」の男性なのである。 容姿、若さ、高学歴、都会暮らし、そこそこの経済力に爺婆抜き、できれば優雅に専業主婦。を夢見ている娘の婿選びのモノサシには、彼等のほとんどが当てはまらないのである。

21世紀は「娘第一主義」の時代である。

 農業、漁業、地域の中小商工業、どれをとっても大切な仕事である。 これらの仕事を継ぐのは「娘」と決めることである。男はたとえ、たった一人の大事な長男でも婿にくれてやる。 こうして、発想を転換すると、縁を結びやすくなるのである。

 ある農家で「お宅は、嫁さんと仲がいいねー」と訊ねると、「あれは娘だわい、まいにち娘におこられてばっかりだわい」と嬉しそうに婆さんが答える。 ふと気がついて、周りを見渡すと「娘第一主義」の家庭がうまくいっていることに気がつく。 娘も親を見ながら、遠くに嫁ついで舅、姑に苦労するより、家にいたほうがよいかも、と思ってきたところである。

「娘」を家に残し、働き者のよい婿を迎えよう。
「息子そと!」「娘うち!」
鬼のような顔をしてカミさんが豆を蒔いている。
(五)

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