学校の階段の踊り場で、芽衣友梨美亜とお菓子を食べて過ごしている。
休み時間のようだ。
10年間も想い続けている悠哉に告白するべきだと美亜に諭されたりしている。
友梨は、「待っていれば悠哉から告白してくるってこともあり得るのではないか」と言い出す。
そんな時、芽衣の携帯にメールが入ってきた。
着信は、悠哉から。
屋上でひとり、神主から貰ったミルクチョコレートを齧る敦史
そこへ、携帯を胸に走ってきた芽衣。
アツシの存在にも気付かず、そっと携帯を開き、悠哉からのメールを読むと。
―駅前のバーガーショップに来れる?―
と書いてあった。
「なんだろう?」
突然の悠哉からの呼び出しに首をかしげ、
―行けるけど…どうかしたの?―
と返信メールを送る。
「これってデート??…んなわけないよね、まさかね〜」
と一人言まで飛び出る、ご機嫌な芽衣。
するとすぐに悠哉から返信メールがきた。
―ハナシあるんだ。パフェおごってやるよ―
芽衣の期待は高まっていく。
周りに誰もいないと思ってはしゃいでいる芽衣を
敦史はくすくすと笑って見ていた。
―絶対一人で来てな―
そんな悠哉からのメールで芽衣のテンションメーターは振りきれてしまう。
冷静になれと自分に言い聞かせてみるが…
「冷静になんてなれないぃぃ!」
とすぐに顔がにやけてしまう。
手帳に挟んだ、「三枚の花びら」を取り出し。
「ありがとう〜!!」
と絶叫していると、背後で物音が…
振り返ると、敦史がこっそりと屋上を出ていくところだった。
目が合う、芽衣と敦史。
「俺は何も聞いてないし、何も見てないから…」
気まずそうにそう言うと、敦史はそそくさと立ち去って行った。
唖然としている芽衣を残して。

(放課後)
悠哉の待つ、バーガーショップへ急ぐ芽衣。
店内を覗くと、緊張した面持ちで芽衣を待つ悠哉が見えた。
店先でミラーを取り出し、身だしなみチェックをする芽衣。
意を決して店内へ。
すぐに芽衣に気づいた悠哉が「よっ!」と声をかける。
「パフェでいいんだよな?」
と悠哉に確認されて、恥ずかしそうに頷く芽衣。
注文したパフェがくるまで、向かい合って話しをする2人。
ふたりとも緊張している。
口ごもりながら悠哉が芽衣に語りかける。
「なんていうかさ、こういうの…、芽衣の気持ち次第っていうかさ。イヤなら、イヤって言ってくれていいから。…おれの気持ちは気にしないで。」
意味深な悠哉の口ぶりに、芽衣の緊張と期待はどんどん膨らむ。
「あのさ…」
悠哉が言いかけた時、店内に2人の男子生徒が入ってきて悠哉に声をかけてきた。
「ちーすっ!遅れて悪ぃ!」 2人の男子生徒は、ここで悠哉と待ち合わせしていたようだ。
「こいつ、クラスメイトのコータ。」
悠哉が芽衣に、男子生徒を紹介した。
見るからに軽薄そうな印象の男だ。
もう一人は高橋といって、芽衣と同じ2年生らしい。
「たかちゃんです。」
そう自己紹介した高橋は、軽そうだが人の好さそうな印象だ。
「…どうも。」
戸惑ったように挨拶した芽衣は、どういうこと?と悠哉に尋ねる。
すると、コータが、
「俺が頼んだんだよ。おれ、芽衣ちゃんと仲良くなりたいんだよねぇ〜」
続いて、
「芽衣ちゃんって彼氏いんの?」
とコータ。どうやらコータは芽衣がお気に入りのようだ。
明らかにドン引きしている芽衣。
そんなことにはお構いなしで暴走するコータは、芽衣の携帯番号が知りたいと言い出す。
驚いた芽衣は、助けを求めるように悠哉を見たが、
「ダメ?」
とコータから尋ねられた悠哉は、
「…いや、おれは別に…」
と、頼りない返事。おれは別に関係ないから、と言ったそぶりだ。
それを見て芽衣は、
「いいですよ。わたしもコータさんと友達になりたいし。」
と言って、半ばヤケクソでコータと番号を交換してしまう。
悠哉との帰り道。
ショックなのは芽衣のほうなのに、並んで歩こうとしない悠哉。
「なんで悠哉が怒ってんの?」
と芽衣が問いかけると、
「なに喜んで番号教えてんの?」
と、ぶっきらぼうに訊き返す悠哉。
紹介したのは悠哉のほうなのに、見るからに軽いと分かるコータに番号を教えた芽衣を責めはじめる。
「普通教えないだろ?芽衣がそんな軽い子だなんて思わなかったよ」
と、かなり不機嫌に言い放った。
そんな悠哉を見て、芽衣はハッとして尋ねた。
「それってヤキモチ?」
悠哉は、少し考えてから、それもあるかなと答え、
「コータにさ、芽衣とおれが仲良いのを羨ましがられてさ、紹介したけど、やっぱりイヤな気持になったってわけ…」
とモヤモヤしている胸の内を素直に語った。
仲直りして、嬉しそうな芽衣。
そんな帰り道、クレープの屋台の前にいる春菜を見つけた。
春菜は、屋台の前で、見知らぬ男子生徒と親しげに話をしている。
男子生徒は春菜と同じ制服を着ているので、同じ高校の生徒のようだ。
「なんかいい感じじゃない?」
と悠哉に問いかけると、表情を固くした悠哉はそれには答えず、「行こう」と言ってその場を立ち去る。
それから全く無口になってしまった悠哉を芽衣はただじっと見ていた。

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